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2011. 05. 10  
あちこちに話題が跳ぶのが恐縮です。 アセスメントを考えるシリーズの7回目となります。 これまでの記事は下記にまとめています。 これまでのアセスメント記事はこちらです↓ http://edublog.jp/nagasaki-northstars/category_11/
<色:#ff00ff><右上奥にあるお手本と同じ模様を、ブロックを並び替えて作る課題ですが、なかなか難しくて・・・ 次から次に支援をしていったらこんなになっちゃいました。 一番効いたのはどれだと思われますか? 答えは記事の最後に掲載しておきます
さて、今回は<色:#0000ff>「視覚機能のアセスメント」についてまとめてみようと思います。 様々な関わり方をお子さんとさせていただいていますが、視覚機能のアセスメントを必要と感じるのはどのような状態を見せるお子さんでしょうか。振り返ってみました。 以下の4場面に分けて考えました。 <色:#ff0000>?授業中のお子さんの観察から ?保護者さんの面接から ?掲示物等の特徴から ?フォーマルなアセスメントから このうち?フォーマルなアセスメントについては次回に記事にします。
<色:#ff00ff>大阪医科大LDセンターが開発された近見検査です。遠見検査と組み合わせて行います。 <色:#ff0000>?授業中のお子さんの観察から  通常教室の授業観察に入る際に心がけていることについては、下記記事でまとめさせていただきました。 アセスメントを考える(4)教室訪問de行動観察   上の記事である程度詳しく書いていますのです、今回はどんなところに着目しているか見出し程度です。 <色:#0000ff>○書字や読字の姿勢  姿勢の乱れについては、視覚機能の問題のみでなく注意持続の問題や、筋緊張の維持、覚醒状態のコントロールなど様々な影響因があるのでしょうが、鉛筆を持って<色:#ff0000>書き始めると、途端に体を捻るお子さんや、音読の際に首を傾けて読んでいるお子さんについては気になります。 <色:#0000ff>○板書転記時の特徴  ある文章をノートに書き写す際に、どの程度の頻度で顔をあげているかを観察することで感じることがあります。  お子さんによっては、文章全体を覚えて顔をあげずに転記していたり、単語毎にあげていたり、文字毎に、数画毎にとそれぞれに異なったタイミングで黒板を見られます。  顔をあげる頻度が多いお子さんには、視覚的な記憶や、語彙の少なさ、文意の理解などのつまずきがあることが予測されます。視知覚認知が弱くて漢字の習得が進んでないということもあるのでしょうね。  その中で、視覚機能に困りがあるお子さんは<色:#ff0000>「停留時間」が長い傾向があります。つまり、顔をあげて「ピントを合わせて」「場所を探し」、ノートを見て「ピントを合わせて」「場所を探し」、また顔をあげて・・・と、行き来する間の動かない時間が見られる場合、詳しい視覚機能アセスメントに繋げようと考えます。 <色:#0000ff>○教師や板書などへの注視の程度  同じ場所をじっと見ておくためには、筋肉の緊張を一定に保つ必要があります。  足を組むと楽な方がおられたりそうでなかったり、同じ持ち物でも軽々持てたりそうでなかったり、と人によって筋肉のしなやかさや強さは異なるのは当然ですよね。  眼球を動かす筋肉にも同じことが言えるのかもしれません。ずーっと動かし続けていると、早く疲れる人もいるでしょう。同じ形でぴたりと止まることが苦手な人もおられると思います。  先生をじーっと見ていることができず視線が動く、その動き方に焦点化して観察する中で、ちょっと違うなと感じることもあります。
<色:#ff00ff>組み写真1−3 お子さんの好きなイラストをラミネートしてカット ジグソーパズルにします <色:#ff0000>?保護者さんからうかがうエピソードから  保護者さんとの面談をさせていただくことで気づくのは、「やはり母(父)はすごい」ということです。  子どもたちのひそかな困りを、困ってるかどうかすら分かってない困りを、感覚的に感じておられることが多くあります。その部分について、話をうかがいながら紡いでいくことで、お子さん自身がこれまでに頑張ったり、頑張りすぎたり、頑張らせすぎたりしてきたかもしれないことを振り返ることは、大変重要なプロセスだと思います。  そんな面談中に、保護者さんから教えていただくエピソード中で、視覚機能に関連している可能性があるものをまとめてみました。 <色:#0000ff>○頭痛を良く訴える ○よく物を落としたり、ぶつかったりしていたような・・・ ○ボールを使った遊びはあまり・・・  我々は両眼を有することにより、周囲の空間に奥行きが生まれ、立体的なものの見え方ができるようになります。  そのメカニズムは大変複雑であり、意識することなくできること自体が驚異的と言えるのかもしれません。  視覚機能のうち両眼視に問題のあるお子さんの中には、上記のように頭痛を訴えたり、遠近感がとらえにくかったりする状態を見せる方もおられるようです。  また、すばやくピントを合わせたり、視点を動かしたりすることが難しかったりすると、ボールを使った遊びは若干ハードルが高くなるようです。 <色:#0000ff>○パズルやブロック遊びはあまりしてこなかったなあ  平面パズルやブロック、プラレールなど組み合わせて形を作る遊びには、様々な要素が内在しています。  手に持ったり咥えたりしたときの触感の心地よさや、投げたり転がしたりしたときの音などの感覚面への働きかけに始まり、組み合わせるために目と手の協調動作が必要であったり、意図して組み合わせる企画力や偶然できたものをなにかに見立てる力も知らずと使っていると思われます。  目的的にこれらの遊びを提供しなくとも、そこにこれらの遊具が転がっていれば興味を示し、手に取ろうとされるお子さんが多いようです。  協調動作や視知覚につまずきのある可能性のあるお子さんの中には、これらの遊びに対して<色:#ff0000>興味を示さなかったり、し始めるんだけど長続きしなかったり、単純に組み合わせて終わりなど高まりが見られなかったりすることもあるようですね。 <色:#666666>○目の前の物を見つけるのに時間が・・・ ○見てるようで見ていないような・・・  私たちの視野は以外に広く、片眼が左右に170度程度をその視野にとらえることができます。(上下では130度)  視野の中ではどこも同じように見えるのかというとそうではなく、眼球がまっすぐに向いている部分がもっとも視力が高く、そこから外に広がるにつれて視力は低下していきます。  正面を注視したまま、両手を広げてみると、指先があるのはうっすらと見えますがその皺や状態まではなかなかクリアには見えません。  この違いは当然あるもので、視野の中で適切に処理できる範囲を<色:#0000ff>「有効視野」といい、個人差があります。サッカーなどをしているときは有効視野は広くなり、読書の際には狭くなると言うように個人内でも変化します。  この調節がうまくいかないと適切な有効視野での活動が難しくなり、必要以上に眼球を動かして疲れたり、視野に入っているはずなのに見えなかったりすることがある可能性もあります。
<色:#ff00ff>組み写真2-3 表には学習項目を付箋で貼り、目玉クリップをつけます <色:#ff0000>?掲示物やテストやノートなどから   教室には様々な掲示物(児童の作品)があります。    学級のみんなの作品が掲示してあるため、その中でお子さんの特徴や発達段階が見えることがあります。  習字作品の筆圧やバランス、理科の観察で描くミニトマトの枝ぶり、人物画のボディイメージなどについて観察することでお子さんの状態を推測していきます。  <色:#ff0000>視覚機能 特に視知覚認知や眼と手の協応動作の課題が書字やスケッチには現れやすいようですね。  また、<色:#ff0000>集合写真で視線がそれやすいお子さん、両眼の向きが一定でないお子さんなどについても、ちょっと気をつけて観察させていただいています。
<色:#ff00ff>組み写真3−3 裏返しにおいたピースをかぎ針金がついた釣り竿で釣り上げます。 表に返すと学習内容がわかります。最終的にすべて勉強が終わると一枚のA4イラストが完成するのでプレゼントしました  さて、つらつらと書いてきましたが、これらの状態を見せるお子さんと出会った場合、担任の先生や保護者さんと相談した後にいくつかの検査をとらせていただくことがあります。  その点について次回はまとめさせてください。  <色:#ff00ff>写真1枚目の答え この写真の中では?お手本を4つに分ける区切り線提示 ?ピースを置く場所の数字ネーミングと置く方向矢印 ?ピースの模様の言語化 の3つの支援をしています。このお子さんの場合短期記憶が弱く、継次処理も難しいこともあり、どこまで置いたかが分からなくなる様子がみられました。また見比べる際に違う場所の手本を参照することもあったので、「1を置きます 次に2を置きます」と言語化が有効でした。 このことから、どれも影響しましたが一番彼を支えてくれたのは?だったんじゃないかなーと感じました。  
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プロフィール

nishikaze8

Author:nishikaze8
子どもたちとの学びは発見と感動の連続です。

将来の自立に向け、常に根拠のある関わりができるように心がけたいと思っています。

特別支援教育士
臨床発達心理士
ビジョントレーニングインストラクター

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