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2010. 01. 20  
さて、前々回のブログでビジョントレーニングに1年余り取り組みDEMの数値が、生活年齢相当になってきたお子さんの様子をお伝えしました。 http://edublog.jp/nagasaki-northstars/archive/32
今回はその続編です。 綴り始めるにあたり皆さんにお尋ねします。 「漢字を読むのが苦手なお子さんに、振り仮名をつける支援をすることは、お子さんを甘やかすことに繋がると思われますか?」 短い問いですが、学校現場においては時に大きなジレンマを投げかける可能性があるものですよね。 このシリーズでご紹介しているお子さんは、その頑張りの中でこの問いに対する一つの答えを教えてくれたように思います。 このお子さん(Aさんとしますね)は、中学年になると途端に学習に対するモチベーションを失ってしまいました。 前号に記したように、教科書の準備もしない、テストにも名前を書くだけという状態となり、2次的な状態を呈していたといえます。 そんなAさんに、学習への意欲を取り戻してもらうことはけっして簡単ではありませんでした。 もともと、IQはボーダーなお子さん、特に記憶領域でのつまづきがあることで、意欲を持たせようと活動を工夫したとしても、翌日や次時まで継続しにくいのです。学級で毎日出される宿題も、学校で途中まで取り組んだり、質と量を配慮してもらったりしましたが、帰宅するとその存在さえ忘れてしまったかのように取り組めない。 もちろん、記憶の低さが影響しているのか、失敗体験や分かりにくさから意欲の高まりが難しいのか、その両方なのか、まさに「にわとりと卵」のような状態が続きました。
そんな彼にちょっとだけ元気と勇気を与えたかな、と思われた取り組みが2つあります。 <大>一つは、本シリーズで取り組んでいるビジョントレーニング もう一つは、スケジュールノートの活用です。 ビジョントレーニングの観点から見た彼の成長は前号でお伝えしていますが、彼の頑張りにより変化が起こったのは、彼だけでなく担任の先生を含めた周囲の教師でした。 通級教室の教育課程として設定している中に「教科の補充」という領域があります。 「現時点の教室での学習に直接生きる」というより、「教室での学習を下支えする」内容をできるだけ取り上げたいと思っていますが、音読が苦手なAさんに対しては、数か月先に学ぶ教科書文を拡大コピーし、ルビを振った上での音読練習を行うようにしたのです。 文節区切り線を入れたり、範読の後に読んでもらったりしているうちに、彼の音読には徐々に上達が見られるようになりました。 加えて、型抜き紙を活用し、見える範囲を狭くする操作を自分でできるように働きかけても行きました。 元々、指で追い差しをしながら読んでいた彼にとって型抜き紙はよいガイドとなりえたようで、その使い方も上手になり、読める漢字は隠し、忘れたらちらっと見てまた戻すという操作をしながら音読するようになっていきました。 そうして、音読の家庭学習に対して、保護者さんにも支えてもらいながら取り組むようになったのです。
最近の彼の音読の様子を見ていると、多くの漢字を振り仮名は見えないままで読み進めています。話の筋が分かったことで、前後の関係から思い出せるものも多くなったのでしょう。 <色:#0000ff>「振り仮名があるから読み方を覚えない」 「振り仮名があるから読む抵抗がなくなり、結果的に漢字も読めるようになる」 どちらが、教育的なのか、答えが見えるような気がします。 さて、ある時変化が起こりました。 国語の読み取りテストが学級で行われたときのことです。Aさんの点数は20点でした。 それを見た担任の先生は、そのテストの問題文などにすべてルビを振ってみたそうです。 その上で取り組んだ彼の点数は「90点!」 この出来事は私たちに少なからず衝撃を与えました。 これまでAさんは分かってなかったのではなくて、読めてなかったということが証明されたのですから・・・。 それ以来、担任の先生はAさんが出会う文章にルビを振ることを、積極的に推し進めてくださるようになりました。 また、「特別支援教育支援員」さんの時間割上に、Aさんの教科書やプリントにルビを振る時間を週に1時間位置づけることもできました。 現在ではAさんを含めて4人のお子さんに対して、担任の先生や支援員さんによるルビ振り支援がオフィシャルに行われています。 来年度行われる、全国学力調査(残念ながら抽出に外れても実施するとのこと)では、そのうち該当のお子さんに対して、「振り仮名つき問題用紙」を要請することもできるようになりました。 Aさんには、これまでの負の積み重ねから、まだまだ支援や配慮が必要な部分があります。 ですが、「みんなと同じように読めないから理解できない」訳ではないということを我々教師に教えてくれました。 Aさんにも、柔軟に対応をしてくださる先生方にも、感謝の気持ちを感じています。 記憶について、彼を支えている「スケジュールノート」 写真を撮って、紹介をと思っていたので、持ってくるようお願いしていたのですが、残念ながら「忘れて」きたそうです{バニー}
AUTHOR: きゃる EMAIL: kyaru@hotmail.co.jp URL: http://tg.air-nifty.com/blog/ IP: 61.210.206.198 DATE: 01/20/2010 23:02:56 ルビ振りは、通常担任が自分でやるのは時間が足らないし、保護者にお願いするのも申し訳ないなあと思っていたのですが、本記事で「特別支援教育支援員さんの仕事にルビ振りを位置づける」、「全国学力調査で振り仮名つき問題用紙を要請する」という発想が目からうろこでした。勉強になりました。
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とん吉さんコメントありがとうございます。
難解な語句、読みの漢字を繰り返し眺めていると、読み取りまでエネルギーが回らずに、「ただ読んでるだけ」って状態になること、よくありますよね。
「ルビ」をふるという行為が、特別な支援でなくなるようになればいいなあと思っています。
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特別はイヤです

学力差が開いてきたので、 一斉指導の中で別課題を準備していますが、 高学年になる
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Author:nishikaze8
子どもたちとの学びは発見と感動の連続です。

将来の自立に向け、常に根拠のある関わりができるように心がけたいと思っています。

特別支援教育士
臨床発達心理士
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